2026年1月16日
「幼稚園教諭と保育士、両方の資格を持つ人材なんて、そうそう見つからない」
「14時以降の『預かり保育』の時間帯だけ、誰か手伝ってくれれば現場は回るのに」
「バスの添乗や清掃だけでも専任がいれば、担任がもっと子どもに向き合えるはずだ」
認定こども園(幼保連携型など)の園長先生、理事長様。
幼稚園機能と保育園機能を併せ持つ「こども園」ならではの複雑な人員配置と、慢性的な人手不足に頭を抱えていませんか?
教育時間の終了後、長時間保育へ移行する夕方の時間は、正規職員の疲労がピークに達する時間帯でもあります。
ここで無理をして担任に長時間労働を強いることは、離職のリスクを高めることと同義です。
しかし、ハローワークや求人サイトで「有資格者」を探し続けても、応募は一向に来ません。
なぜなら、解決策は「資格者」を探すことではなく、「資格がなくてもできる仕事」を切り出し、近隣の潜在労働力に任せることにあるからです。
今回は、認定こども園特有の業務フローに着目し、
地域の主婦層やシニア層を「保育補助(ライフサポーター)」として、Web広告技術「ジオターゲティング」で獲得する戦略について解説します。
この記事でわかること
・認定こども園の「預かり保育」「バス添乗」こそ、地域採用のベストスポット
・半径1kmの主婦を狙い撃つ「ジオターゲティング広告」の仕組み
・無資格でも応募が殺到する「業務切り出し」の具体的なリスト
・「先生」ではなく「サポーター」として募集するコピーライティング術
・採用コストを劇的に下げ、正規職員を守るための組織づくり
目次
なぜ、認定こども園の人材不足は「保育園」より深刻なのか?
認定こども園は、幼稚園と保育園の良いところを併せ持つ素晴らしい施設ですが、運営側にとっては「二重の負担」がかかる現場でもあります。
「教育」と「保育」のダブルスタンダード
午前中は幼児教育を行い、午後は家庭的な保育を行う。
この切り替えだけでも現場の負担は大きいものです。
さらに、1号認定(幼稚園枠)の子どもたちが帰宅する時間帯と、2号・3号認定(保育園枠)の子どもたちが昼寝から起きる時間が重なり、午後の現場はカオス状態になりがちです。
ここで多くの園が犯してしまう間違いが、「すべての時間帯に、フルスペックの教諭・保育士を配置しようとする」ことです。
有資格者は金の卵です。
彼らには「教育・指導」や「保護者対応」「記録作成」といった高度な業務に集中してもらい、それ以外の業務を「補助スタッフ」に任せる分業体制が必要です。
「預かり保育」という魔の時間帯
特にネックとなるのが、夕方の「預かり保育(延長保育)」です。
専任の職員を確保できず、日中クラスを受け持っていた担任がそのままローテーションで担当していませんか?
朝7時から出勤し、夕方18時まで残る。
これでは、明日のカリキュラム準備もままなりません。
この「夕方の隙間」を埋める人材こそ、遠くから通勤する正規職員ではなく、近所に住むパートタイマーが適任なのです。
半径1kmの「お母さん」が救世主!ジオターゲティングの威力
では、そのパートタイマーをどこで見つけるか。
答えは、園のすぐそばにある住宅街の中にあります。
「ジオターゲティング広告」とは、スマートフォンの位置情報を活用し、「園から半径〇km以内にいる人(住んでいる人)」にだけ配信するWeb広告のことです。
求人サイトでは届かない「潜在層」を掘り起こす
一般的な求人サイト(indeedや保育士専門サイト)を見ているのは、「今すぐガッツリ働きたい人」です。
しかし、こども園が欲しい補助スタッフは、そうではありません。
「子育てが落ち着いたから、少し社会と関わりたい」
「孫が幼稚園に入ったから、日中数時間なら空いている」
「資格はないけれど、子どもと接するのは好き」
こう考えている層は、求人サイトを毎日チェックしていません。
彼女たちは、Instagramで料理動画を見ていたり、LINEで家族と連絡を取っていたりします。
その日常のスマホ画面に、
「ご近所の〇〇こども園です。お昼の2時間だけ、給食の配膳を手伝ってくださいませんか?」
という広告が流れてきたらどうでしょう。
「あ、あそこの園ね。近いし、私にもできそう」という親近感が、応募のトリガーになります。
「通勤時間ゼロ」が最大の福利厚生
パート勤務を希望する主婦層にとって、最も重要な条件は「家から近いこと」です。
時給が50円高くても、電車やバスで通う職場は選ばれません。
夕飯の支度や、自分の子どもの帰宅時間に間に合うことが絶対条件だからです。
ジオターゲティング広告は、最初から「通える範囲の人」にしか表示されません。
無駄なクリックを減らし、採用後の定着率が高い人材だけを集めることができる、極めて効率的な手法です。
こんな人たちがターゲットです
・園の卒園児の保護者(OBママ)
・近隣の小学校・中学校に通う子を持つお母さん
・定年退職したが、まだまだ元気なアクティブシニア
・資格はあるがブランクが長く、復帰をためらっている潜在保育士
「資格不要」で切り出す!こども園ならではの業務分解
主婦層を採用するためには、業務のハードルを極限まで下げる必要があります。
「保育補助募集」と書くだけでは不十分です。
具体的な「作業」として提示することで、「私にもできる」と思ってもらえます。
1. バス添乗・見守りサポーター
認定こども園には通園バスがあることが多いですが、この添乗業務は意外と負担です。
「朝と夕方のバスに乗って、子どもたちの安全確認をするだけ」
この業務は、乗り物酔いさえしなければ資格は不要です。
シニア層や、朝早い時間が得意な層にとって、子どもたちの笑顔に会えるバス添乗は人気の職種になり得ます。
2. ランチ・おやつサポーター
給食やおやつの時間は、配膳、食事介助、片付け、掃除と目が回りそうです。
ここの「準備と片付け」だけを切り出します。
「11:00〜14:00の3時間。配膳とテーブル拭き、床掃除の担当」
これなら、飲食店のランチタイムパートと同じ感覚で応募できます。
3. 午睡(お昼寝)見守り隊
保育園機能を持つクラスでは、お昼寝の時間があります。
SIDS(乳幼児突然死症候群)対策の呼吸チェックは重要ですが、有資格者とペアを組めば、補助スタッフでもチェック業務のサポートは可能です。
「静かな部屋で、子どもたちの寝息を見守るお仕事」
この時間は、体力的な負担が少ないため、年配の方にも喜ばれます。
4. 預かり保育の「遊び相手」
夕方の預かり保育は、設定保育(カリキュラム)ではなく、自由遊びが中心です。
ここで必要なのは、指導力ではなく「一緒に遊んでくれるおばあちゃん、お母さん」のような存在です。
「夕方16時から18時。折り紙や絵本読み聞かせが得意な方」
と募集すれば、特技を活かしたいシニア層が反応します。
ポイントは「責任の重い業務(保護者対応・日誌・指導)」を一切切り離し、単純作業や見守りに特化させることです。
応募が殺到する広告クリエイティブの作り方
ターゲットが決まり、業務が切り出せたら、次はそれを「魅力的なメッセージ」に変換します。
Web広告の画像や文章は、園のパンフレットとは全く違う視点で作る必要があります。
「先生」と呼ばない募集戦略
無資格や未経験の主婦にとって、「先生」と呼ばれることはプレッシャーです。
求人のタイトルや広告文では、意識的にハードルを下げましょう。
×「保育士・保育補助募集」
○「こども園の生活サポーター募集」
○「先生たちのお手伝い係」
○「園内の美化・清掃スタッフ(子どもとの触れ合いあり)」
職種名を変えるだけで、応募層がガラリと変わります。
生活感が伝わる「リアルなメリット」を提示
抽象的な「やりがい」よりも、生活に直結するメリットを具体的に書きます。
・「自転車で通える!〇〇スーパーのすぐ裏です」
・「エプロン貸与。ジャージで出勤OK!」
・「お子様の急な発熱でも、当日の朝連絡で休めます(互助体制あり)」
・「扶養内(103万円・130万円)調整、完全対応します」
特に「急な休みへの対応」は、子育て中のママさんにとって最強のキラーワードです。
「お互い様だから大丈夫ですよ」というスタンスを明記しましょう。
写真は「笑顔の子ども」より「働く同世代」
子どもの写真は可愛いですが、仕事のイメージが湧きません。
また、若い先生ばかりの写真だと、40代・50代の応募者は「場違いかな」と引いてしまいます。
広告に使う写真は、
・エプロンをつけて配膳をしている50代のスタッフの後ろ姿
・玄関で掃除をしている普段着に近いスタッフ
など、「私でも馴染めそう」と思わせるビジュアルを選びましょう。
動画広告ならさらに効果的
Instagram広告なら、15秒程度の縦型動画がおすすめです。
園庭の様子や、実際に働いているパートさんの「ここは家から近くて助かってます」という一言インタビューを流すだけで、信頼度が爆上がりします。
面接・採用時のポイント:スキルよりも「人柄」と「シフト」
Web広告経由で応募が来たら、スピード対応が命です。
そして、面接では専門知識を問う必要はありません。
説明会形式でハードルを下げる
いきなり「面接」というと身構えてしまいます。
「お仕事説明会」「園見学会」として来園を促しましょう。
園の雰囲気を見てもらい、「ここなら働けそう」と安心してもらうことが第一歩です。
履歴書不要、手ぶらでOKにすると、散歩ついでに来てくれる確率が高まります。
確認すべき3つのポイント
資格のない方を採用する際、見るべきポイントは以下の3点です。
1. 挨拶と表情:子どもたちや保護者に、明るく挨拶ができるか。
2. 清潔感:爪の長さや服装など、衛生的な観点を持っているか。
3. シフトの安定性:希望する曜日・時間に、長期的に来られそうか。
「難しいことは求めません。時間通りに来て、子どもたちに笑顔で接してくれれば100点です」と伝えましょう。
採用後の受け入れ:正規職員との壁を作らないために
せっかく採用した補助スタッフがすぐに辞めてしまう原因の多くは、「正規職員との人間関係」です。
「あの先生、挨拶しても返してくれない」「指示がなくて何をしていいかわからない」
これを防ぐためには、園全体での「マインドセット」が必要です。
正規職員への周知徹底
「新しくパートさんが入るから、仕事を教えてあげて」と丸投げしてはいけません。
園長から、正規職員に対してこう伝えてください。
「今度入る〇〇さんは、みんなが事務仕事をする時間を確保するために来てくれる、大切なサポーターです。
保育のプロではないから、指導するのではなく、『ありがとう』と感謝を伝えて、簡単な作業をお願いしてください」
補助スタッフへのリスペクトがある園では、自然と連携がうまくいきます。
「やってはいけないことリスト」を渡す
補助スタッフ用のマニュアルは、分厚いファイルではなく、A4用紙1枚で十分です。
そこに書くべきは、業務手順よりも「禁止事項」です。
・アレルギー対応食の配膳(必ず正規職員がチェックする)
・保護者からの相談への回答(「担任に伝えます」と答える)
・子どもへの投薬
リスクのある業務を明確に除外することで、スタッフは安心して働くことができます。
コスト比較:派遣を使うよりどれだけお得か?
最後に、経営的な視点でコストを比較してみましょう。
【人材派遣会社を利用する場合】
・時給単価:1,800円〜2,500円(園の支払い)
・紹介予定派遣の手数料:数十万円
【ジオターゲティング広告で自社採用する場合】
・広告費:月額3万円〜5万円程度
・時給単価:地域の最低賃金+α(例:1,100円〜)
・採用単価:数千円〜数万円(何人採用しても追加費用なし)
もし月5万円の広告費で2名のパートさんが採用できれば、圧倒的なコストダウンになります。
浮いたコストは、頑張っている正規職員の処遇改善や、園の設備投資に回すことができます。
まとめ:地域密着こそ、こども園の生存戦略
認定こども園は、地域の幼児教育と保育の拠点です。
そこで働くスタッフもまた、地域の人々であるべきです。
近所のお母さんやおばあちゃんが、園のスタッフとして生き生きと働いている。
その姿は、保護者にとっても大きな安心感につながります。
「地域に見守られている園」というブランディングにもなるのです。
人材不足を「ただの欠員」と捉えず、「地域との絆を深めるチャンス」と捉え直してみてください。
スマホの位置情報技術を使えば、あなたの園を助けてくれる誰かが、すぐ近くにいることがわかるはずです。
まずはGoogleマップを開き、園の半径1kmにどれくらいの住宅があるか見てみましょう。
その屋根の下にいる未来のスタッフに、声をかけることから始めてみませんか。
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