2023年11月22日
スマートフォンが急速に普及し、インターネット広告が主流となった現代において、DMに効果はあるのでしょうか?
アナログなイメージがあるDMですが、インターネット広告と異なり、実際に手に取る、物として残るといったオフラインの良さがあるため、広告手法として活用が続けられています。
この記事では「DM効果は実際にあるのか」という疑問について解説し、最新のDMサービスについてもご紹介していますので、ご参考ください。
目次
DMとは?
DMとは、ダイレクトメールの略称で、個人宛または、法人宛に送られるメール・印刷物を指します。DMは、不特定多数に届く新聞の折込チラシとは異なり、問い合わせなどで収集した見込み顧客に対して購入を促したり、会員情報などから既存客にリピートオーダーを促す施策として使われます。
DMの種類①はがき・封筒
はがきはそもそも開封しなくてよいため、情報を確認してもらいやすいといえます。
また、封筒でDMを送る場合は、はがきよりも多くの情報を伝えられたり、試供品を沿えられたりできます。
DMの種類②Eメール
Eメールは、安い費用で定期的に一斉送信できます。
迷惑メールとして振り分けられてしまったり、他のメールに埋もれて気づかれなかったりするため、アドレスや送信頻度には気をつけましょう
DMの種類③FAX
FAXを使い慣れている相手には効果があるといえます。
ただし、DM内容をすべて白黒で送るしかないため、写真・文面を見やすく工夫が必要です。
DM導入のメリット
DM導入のメリットは、商品やサービスを顧客に直接アピールできる点です。DMは、宛名に自分の名前が記載されており、利用した覚えのある企業からの郵便物であるため、自分事として中身を閲覧してもらえます。Web広告とは異なり、情報を取っておくことができるため、今すぐの行動に繋がらなくても必要なときに見返して行動につなげてもらうことも可能です。
また、マーケティング施策に利用できる点もメリットです。システム構築の手間がかかりますが、DMが届いた人限定の詳細ページURLやQRコードを内容に記載しておけば、DMがきっかけで購入に至った人数がわかります。さらに、「どのような商品を購入してもらえたか」「どのような内容のDMが多く開封してもらえたか」「どのような企画に反応があったか」など、DMの効果測定ができ、さまざまなデータ収集にもつながります。
DMの反応率を上げる3つのポイント
DMの反応率を上げるには、3つのポイントがあります。
1つ目は「過去に自社商品やサービスを利用してもらった相手にDMを送ること」です。
たとえ、相手の購入・利用が前回から長く空いていたとしても、接点があれば再度興味を抱く可能性があります。
2つ目は「相手にとって最適なタイミングでDMを送ること」です。
相手が購入・利用したくなるような誕生日や、前回の購入・利用から1年経過などの一定の周期にあわせるとよいでしょう。
クリスマスやお正月など、季節のイベントにあわせて送ることもおすすめです。
3つ目は「DMを見た人が行動を起こしやすいような仕掛けづくりができていること」です。
DMを読むことで割引が受けられる仕掛けや、貯まるポイントが2倍になる仕掛けなどを作ると、今後に送るDM反応率もよくなるといえます。
DM導入の注意点
DMを送るためには、顧客の住所が必要です。少なくとも氏名と住所は必要であるため、それらの情報を収集するために、メンバーズカードを発行したり、アンケートを実施したしたりしなければなりません。また、収集した個人情報は漏洩することがないよう、社内で厳重に管理しなければなりません。
また、ただ届けるだけではすぐに捨てられてしまう可能性もあるため、思わず開封したくなるような工夫も重要です。キャンペーン情報を一目見て分かるようなデザインでアピールしたり、割引クーポンをつけるなどの方法があります。DM限定クーポン等をつければ、反応率を算出することもできるようになります。
DM効果は本当にあるのか?
一般社団法人日本DM協会の「DMメディア実態調査2021」によると、2020年では7.0通だった「自分宛DM受取通数」が2021年では5.5通に減っています。
ただし、2020年では63.1%だった「開封・閲覧率」は2021年では79.5%に増えています。
この結果から「受け取ったDMは少なくなっても、開封する人は増えている」ことが分かります。
さらに、DM受取後に「インターネットで検索した」「実際に来店した」などの行動を取った人の割合「行動喚起率」については、2020年では15.0%でしたが、2021年では21.0%に増えています。
また、年代別に見た際に、行動喚起率が特に高かったのが20~30代の若年層です。
平均を上回る結果となり、若年層に対しては、DM効果は高いといえます。
参考:一般社団法人日本DM協会「DMメディア実態調査2021」
DM効果を高めるエリアマーケティングの考え
「エリアマーケティング」とは、エリアの特性を分析して、それに合わせた宣伝・アプローチを実施するマーケティング手法です。そのエリアの土地柄・産業・交通網・生活様式などを分析するため、「地域密着型マーケティング」とよばれることもあります。
DMの効果は、エリアマーケティングの手法を取り入れていくことで、さらに高めることができます。対象となるエリアで生活する人の特性をよく理解することで、DMひとつにしてもアプローチ方法が変わるでしょう。
「年齢層が高い地域」「人口が多い地域」「大型商業施設が少ない地域」など、エリアの特性に合わせてDMを作成すれば効果が期待できます。
ジオターゲティング広告とは?
エリアマーケティングでは「ジオターゲティング広告」がよく導入されます。
ジオターゲティング広告とは、スマートフォンに搭載された位置情報から、そのエリアに今いる人や過去にいたことがある人、住んでいる人などを割り出し、ピンポイントにインターネット広告を配信する手法です。
たとえば、集客をしたい店舗が、その店舗周辺に住んでいる人や近くをよく移動する人にターゲットを絞り、広告を表示させることで集客につなげることもできます。
ジオターゲティングの仕組み
「ジオターゲティング」とは、位置情報をもとに広告配信するターゲットを絞りこむターゲティング手法です。
位置情報を使って行動履歴を追うため、ウェブの検索履歴・閲覧履歴だけではない詳細なターゲティングが可能です。
「過去にどのような場所へ訪れたか」が分かるだけでなく、「特定の場所でどのぐらいの時間滞在したか」まで分かるため、ユーザーの趣味嗜好やお気に入りの店舗・施設を把握できます。
このように、ジオマーケティングはターゲットを的確に絞った状態で広告を配信するため、広告をユーザーに見てもらいやすいといえます。
ジオターゲティング広告導入のメリット
ジオターゲティング広告は広告を表示させるターゲットとして、エリアを特定できるところがメリットです。エリアだけでなく、ある店舗の利用回数や駅の利用回数などでもターゲットを設定できます。
また、ユーザーの動向にあわせて通知を送れることもメリットです。
ジオターゲティング広告は位置情報を利用しているため、それぞれユーザーが訪れた先で広告を表示できます。たとえば、ユーザーが大型商業施設に入ったと同時に、そこで使えるクーポンを表示させたり、そこで行われているタイムセールの情報を発信したりすることも可能です。
ジオターゲティング広告導入の注意点
ジオターゲティング広告は、広告を表示させたからといって、すぐに商品購入やサービス契約につながるような効果を目的とした広告ではありません。ジオターゲティング広告は、あくまでも「商品やサービスの認知拡大」を目的としています。
また、広告の効果を測定するには、ある程度の専門知識とツールが必要です。「商品・サービスの詳細ページを見たかどうか」「どのような経緯で店舗に訪れたか」などのデータを測定することはできても、その結果の良し悪しを判断する知識がなければ、判断のしようがありません。
ジオターゲティング広告の活用事例
ジオターゲティング広告の活用事例を3つご紹介します。
事例①|訪日外国人向けWi-Fi接続アプリ「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」
ジオターゲティングの技術を活用した訪日外国人向けWi-Fi接続アプリの事例をご紹介します。このアプリは、登録したエリアにアプリユーザーが入ると、位置情報を利用して近くの店舗や観光名所からメッセージが届く仕組みです。
なかなか集客できず困っていた地域も、「訪日外国人向け」とターゲットを絞り情報発信することで、集客に成功しています。
また、訪日外国人向けアプリということで、インバウンド対策としての活用も検討されています。
事例②自動車ディーラー
商圏分析とジオターゲティング広告を組み合わせて実施した自動車ディーラーの事例です。この企業では、メインターゲットとなる中高年の男性の顧客は獲得できていましたが、それ以外の顧客の開拓方法が見つからず悩んでいました。
そこで、商圏分析から「世帯年収400万円以上」「26~35歳の単身またはファミリー層」をターゲットとして絞り、ターゲットなかで過去1ヶ月以内に競合ディーラーやガソリンスタンドを利用した人に対してジオターゲティング広告を配信しました。
その結果、中高年の男性を除く層の広告クリック率が平均値を上回るようになり、効率よく広告を出稿できるようになりました。
事例③|フォットネスジム
新規エリア出店の際に、ジオターゲティング広告を実施したフォットネスジムの事例です。
この事例では、ライフスタイルと居住地をメイン条件に、細かなターゲットを設定しました。
- 店舗から自動車で30分圏内に居住する20~30代の男女
- 競合店舗へ訪れたことのある人
- 平日は通勤をしており、決まった時間に帰宅する人
- 店舗近隣の大型ショッピングモールや公園、グラウンドなどへ訪れたことがある人
このように、行動履歴や趣味趣向からターゲットを絞ったことで、新しいエリアでも認知を獲得し、集客に成功することができました。
DM×ジオターゲティング広告
DMの効果を最大限引き出すために、DMとジオターゲティング広告を組み合わせる方法についてご説明します。
ターゲットを決める
DM効果を最大限引き出すには、「ターゲットを決める」ことがポイントです。
無作為に広告を出したりDMを送ったりしても、反響はごくわずかです。
そのため、自社商品や自社サービスの特性に合う人物像を考え、広告出稿やDM送付の前にターゲットを決めます。
以下のような要素から、目的に合わせてターゲットを決めるとよいでしょう。
- 年齢または年齢層
- 性別
- 職業
- 収入
- 家族構成
- 居住地または勤務地
- ライフスタイル
装丁を決める
DMの種類は、郵便物・メールがメインです。
郵便物としてDMを送るには「封筒」「はがき」などの種類がありますが、簡単に目を通してもらいやすいものは「はがき」であるといえます。
封筒は「開けて中身を見る」工程があるのに対し、はがきは手に取るだけで中身を読める手軽さがあります。
また、メールでDMを送る方法は、より多くの人に短時間で多数届けることが可能です。
また、DMはなによりも開けて読んでもらうことが肝心なため、目を通してもらえるようにDMのデザインを工夫する必要があります。
「紙質」「フォント」「カラー」「写真」「イラスト」などから、自社商品や自社サービスに合ったデザインを選ぶとよいでしょう。
予算を決める
DM作成・広告出稿は、DMデザインや出稿するターゲットによってかかるコストが変わります。
そのため、事前に使える予算を決めておくとよいでしょう。
ジオターゲティング広告について、費用が発生するのは主に「クリック課金方法」「インプレッション課金方法」の2つです。
クリック課金方法は、表示された広告をユーザーが見てクリックすることで、1クリックあたり200円ほどの費用が発生します。
また、インプレッション課金方法は、広告の表示回数によって費用が発生するしくみです。
1000回表示されるごとに費用が発生し、表示回数1000回あたり500円ほどかかります。
送るタイミングを見極める
商品やサービスについて、相手の関心が高まるタイミングを見計らってDMを送る方法です。
「前回の購入・利用から約3か月経過した後」「購入・利用した後の1週間以内」などのタイミングでDMを送ることで、DMの開封率も上がり効果が出やすいといえます。
また、季節にあわせて送る方法もよいでしょう。
夏のとても暑い時期に使いたくなる商品や、冬の肌寒い時期に使いたくなる商品など、商品特徴にあわせて、タイミングを見計らって送ることも効果を引き出す方法です。
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