2023年9月25日
Web広告の中でもリスティング広告とディスプレイ広告は主要な手法であり、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に広告を配信する際には、「両方配信するべきなのか?」「配信した後はどのように運用すればよいのだろうか?」といった悩みが出てくる場合もあるかと思います
そこで今回の記事では、両者の特徴を比較しながら効果的に使い分ける手法を3つ解説していきたいと思います!
目次
リスティング広告(検索連動型)広告とは
リスティング広告(検索連動型)広告はGoogleやYahoo!などの検索エンジンにてユーザーが検索したキーワードに対して関連した広告を表示させるテキストを基本とした広告です。
リスティング広告の表示イメージ
リスティング広告の詳細はこちらの記事をご覧ください。
リスティング広告とは?事前準備から運用まで徹底解説【完全マニュアル】
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告は、メディアやサイトの広告枠に表示される広告で、主に画像(テキストのみ、または画像+テキストの場合もあり)を中心とした訴求が可能です。
ここからは、ディスプレイ広告の特徴について詳しく解説していきます。
ディスプレイ広告の表示イメージ
ディスプレイ広告のメリット
クリック単価が低い
ディスプレイ広告はリスティング広告と比較すると1クリックにおける単価が低くなります。
リスティング広告は購入に近いユーザーに広告配信が可能なため、顧客を獲得するために競合他社も入札単価を上げて広告を配信します。
そのため、クリック単価が高くなってしまう傾向にあります。
一方、ディスプレイ広告は潜在層に向けた広告であるため、クリック単価が低く同じ費用でも多くの配信量を確保することが可能です。
視覚に訴えることが可能
基本的に画像がメインの広告であるため、広告を見たユーザーの目を引くことができます。
特に、有形商材の場合は商材のビジュアルを伝えることは重要なポイントとなるでしょう。
リマーケティング機能
ディスプレイ広告ではリマーケティング機能(リターゲティング機能)を使用することができます。
これはサイトに訪れCV(コンバージョン:Webサイトにおける最終的なゴール)まで至らなかった人に対して再び広告配信を行うという機能です。
初回は行動に移らなかったユーザーも、一度サイトに訪れていることから再び広告を閲覧することでコンバージョンに繋がる確率が高くなる傾向にあります。
一方、Yahoo!広告にはサーチターゲティングという特有の設定も存在しています。
サーチターゲティングとは特定のキーワードを検索した人に対して広告配信をする設定です。
例えば靴のECサイトの場合、「軽い 運動靴 おすすめ」という検索履歴がある人のみに配信できるため、通常配信よりも購入率が高いことが予想されます。
ディスプレイ広告のデメリット
コンバージョン率は低い
ディスプレイ広告は潜在層に向けた広告であるためコンバージョン率は低くなります。コンバージョン率を高めるためにはリスティング広告など、他の広告手法と併用することをオススメします。
広告が見られていない可能性も高い
既に広告慣れをしているユーザーにとって、ディスプレイ広告を認識してもらえない場合もあります。
ディスプレイ広告で認知獲得をするためには、目を引く魅力的なクリエイティブや適切なターゲティングが重要です。
ディスプレイ広告の広告フォーマット
Google広告の場合
フォーマット | 表示方法 | 特徴 |
テキスト広告 | テキストのみ | 手軽に配信が可能。広告枠の場所によってはユーザーの目を引きにくい |
レスポンシブ広告※別途解説 | 画像+テキスト | 配信面に合わせて出稿するため、イメージ広告と比較すると配信量が確保でき、テキストによる補足も可能 |
イメージ広告 | 静止画像またはインタラクティブ画像 | 画像のみの最もスタンダードな広告 |
アプリ訴求広告 | 画像+テキスト | アプリストアまたはアプリへ直接リンクが可能 |
動画広告 | 動画 | YouTube等の広告枠または動画内にて配信。映像による深い認知獲得が可能 |
商品ショッピング広告 | 商品画像+説明 | 商品画像とともに購入先までユーザーを導くことが可能 |
電話専用広告 | テキスト+電話番号 | 電話番号を記載し店舗や企業に直接連絡が可能 |
Yahoo!広告の場合
フォーマット | 表示方法 | 特徴 |
バナー広告 | 画像のみ | 画像のみの最もスタンダードな広告 |
レスポンシブ広告 | 画像+テキスト | 配信面に合わせて出稿するため、イメージ広告と比較すると配信量が確保でき、テキストによる補足も可能 |
テキスト広告 | テキストのみ | 手軽に配信が可能。広告枠の場所によってはユーザーの目を引きにくい |
ディスプレイ広告の画像サイズ
画像の入稿規定をご紹介します。
イメージ広告
Google広告 | Yahoo!広告 | |
サイズ | 300×250 728×90 160×600 320×50 300×600 | 300×250 468×60 728×90 160×600 |
ファイルサイズ | 150KBまで | 3MBまで |
※今回ご紹介したものは推奨サイズです。こちらのサイズが入稿できていれば、95%以上の配信面をカバー出来ているとされます。
その他サイズに関しては下記を参照してください。
参照:イメージ広告の画像サイズ
レスポンシブディスプレイ広告
Google広告 | Yahoo!広告 | |
画像(横長) 画像(スクエア) | 1200×628【1.91:1】(最小600×314) 1200×1200【1:1】 | 1200×628【1.91:1】 300×300【1:1】 |
ロゴ(横長) ロゴ(スクエア) | 1200×300【4:1】(最小512×128) 1200×1200【1:1】(最小128×128) | ー 180×180【1:1】 |
広告見出し | 30文字 | 20文字 |
説明文 | 90文字 | 90文字 |
入稿数(画像) 入稿数(ロゴ) | 15枚 5枚 | 1000枚 |
ファイルサイズ ファイルサイズ(ロゴ画像) | 5120KBまで | 3MBまで 150KBまで |
参照:ディスプレイ広告で使用できる画像サイズ
レスポンシブディスプレイ広告とは?
レスポンシブディスプレイ広告は、広告スペースに合わせてアセットと呼ばれる画像、ロゴ、広告見出し、説明文を自動的に組み合わせることで配信をする広告です。
レイアウトが自由自在なため、通常のディスプレイ広告よりも表示回数が増加が期待できます。
レスポンシブディスプレイ広告では画像がなるべくテキストが入っていない、シンプルなものが推奨され、以下のような場合広告が不承認になる可能性があります。
- 画像の20%以上を覆うテキスト(テキスト付きのロゴを含む)
- アニメーション画像(GIFアニメーションなど)
その他レスポンシブ広告の要件に関しては公式サイトをご確認ください。
参照:レスポンシブ広告の要件
このように要件が決められていることから、通常のディスプレイ広告(イメージ広告)とは別々のバナーを用意しましょう。
レスポンシブディスプレイ広告は配信面を増やすための手法として有効なので、ぜひ設定してみてください。
リスティング広告とディスプレイ広告の違い
ターゲット層
リスティング広告はニーズが明確であるユーザーが検索したキーワードに連動して広告が表示されるのに対し、ディスプレイ広告ではターゲティングしたユーザーが訪れるサイトの広告枠に表示します。ユーザーの商品に関する興味関心の度合いが異なるため、マーケティングファネル上のどの層に配信するのかによって選択することができます。
配信方法
リスティング広告はキーワードによって、ディスプレイ広告はデモグラフィック属性(性別や年齢、興味関心など)によって広告配信がされます。
上記に記載したディスプレイ広告の項目は全てユーザー属性を示すものです。
ターゲットの興味関心に近いキーワードやWebサイトを登録することで、より詳細なセグメントが可能です。
料金形態
基本的にはどちらもクリック課金制が主流ですが、ディスプレイ広告ではインプレッション課金制を選択することができます。
料金形態の違いを見てみましょう。
クリック課金制(CPC)
クリック課金制(CPC:Cost Per Click)はクリック数が最大化になるように配信され、広告がクリックされた際に料金が発生します。そのため、基本的には費用の抑制ができますが、クリック数が多い場合はその分費用が高くなります。
計算方法はCPC(Cost Per Click:広告1クリックごとに発生する料金)で表されます。
CPC = 費用 ÷ クリック数
インプレッション課金制(CMP)
インプレッション課金制(CMP:Cost Per Mille)の「Mille」は1000を意味し、表示回数が1000回を達成するごとに料金が発生する広告です。
一表示における広告の視認範囲は下記のように設定されています。
広告が「視認範囲」とみなされるのは、広告面積の 50% 以上が画面に表示され、かつディスプレイ広告では 1 秒以上の表示、動画広告では 2 秒以上の継続再生があった場合です。
とにかく多くの人に見てもらいたい!と表示回数の最大化が目的の場合はおすすめです。また、かかる費用が一定で、クリック率が高くなっても急激に増加することはありません。
CPM = 費用 ÷ 表示回数 × 1000
リスティング広告とディスプレイ広告を使い分ける方法
目標で使い分ける
潜在層に向け、「浅く広く」を得意とするディスプレイ広告はCPA(Cost Per Click:1コンバージョンにかかる費用)は高くなります。
CPA = 費用 ÷ コンバージョン数
配信費用に対してコンバージョンする割合が少ないため、1件あたりにかかる金額も高くなるためです。
一方、リスティング広告は競合と広告枠を競うことになるため、入札単価が高くなる傾向にあります。そのためCPC(Cost Per Click:1clickあたりにかかる費用)はディスプレイ広告の方が安くなります。
よって、クリックを増やしたいのか、コンバージョンを増やしたいのかという目標により選定が可能です。
サービスの特徴で使い分ける
自社が持つサービスの特徴を理解することも重要です。
リスティング広告の場合、そもそもキーワードの検索ボリュームが少なければ広告配信の効果も下がります。母数が少ないため、表示回数が増えず中々予算消化ができない…ということも。
サービス名やカテゴリー名の検索ボリュームが少なければ、もしかしたらまだ検索ワードとしてニーズが確立されていないかもしれません。その場合はニーズの発掘から始めるためにディスプレイ広告も検討されます。
ディスプレイ広告は画像なので、「顕在化されていないニーズ」に訴求できるメリットがあります。
リマーケティングを活用する
ディスプレイ広告のリマーケティング機能も有効です。
※Google(GDN)ではリマーケティング、Yahoo!(YDN)はリターゲティングと呼びますが、機能は同じです。
リマーケティングとは一度サイトに訪れた人に対して再度広告を配信するものです。既にニーズがある人にだけ広告を配信するため、コンバージョン率が上昇します。また、リマーケティングでは後追いする配信期間を基本設定の30日から変更することができるため、コンバージョンに繋がりやすいサイトを訪れた一週間以内や、検討期間が長いサービスでは90日に伸ばすなどの調整ができます。
例えば、リスティング広告を中心に配信しつつディスプレイ広告ではリマーケティング機能を活用する、といった併用も考えられます。
まとめ
いかがでしょうか?
使い分けるといっても、どちらかを運用するだけでなく併用するパターンももちろん考えられます。
まずは目的・サービス理解から改めて考えてみて、広告手法を選定しましょう。
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