2023年11月18日
リファラルマーケティングとは、コストをかけずに効率よくユーザーを集めるPR手法です。アメリカを中心に海外で活用されており、日本でも実施する企業が増えてきました。
この記事では、そもそもリファラルマーケティングとはどのような手法なのか、どのようなメリットがあるのか、といった点について詳しく解説します。新しいマーケティング手法について知りたい方は、ぜひチェックしてください。
目次
リファラルマーケティングとは利用者の紹介によって商品の認知度を高める手法
リファラルマーケティングとは、利用者の紹介によって商品やサービスの認知度を高め、売上を伸ばしていく手法です。「リファラル(referral)」という言葉には、紹介や参照といった意味があります。
リファラルマーケティングを活用すると、商品やサービスを利用した人が友人や知人に紹介してくれるため、企業としては効率よく集客できます。うまく導入すれば、広告費やマーケティング費用を節減できるでしょう。
リファラルマーケティングには、利用者にとってのメリットもあります。友人や知人を紹介することで、ポイントやギフト券などをもらえるケースもあるのです。紹介された側にもポイントが付与される場合もあり、関係者全員にメリットのあるマーケティング手法といえるでしょう。
リファラルマーケティングと他の手法との違いを5つのポイントで解説
他のマーケティング手法としては、インフルエンサーマーケティングやアフィリエイトなどが挙げられます。ここでは、それぞれのマーケティング手法の違いについて解説しますので、チェックしておきましょう。
インフルエンサーマーケティングとリファラルマーケティングの違い
インフルエンサーマーケティングとは、主にSNS上で影響力のある人に商品やサービスを紹介してもらう手法です。インフルエンサーとしてタレントを起用するケースもありますし、Twitter やInstagramなどで多くのフォローをもつ人に依頼するケースもあります。
多数の利用者による紹介で成り立つリファラルマーケティングとは異なり、特定の有名人に情報を発信してもらうことがインフルエンサーマーケティングの特徴といえるでしょう。
インフルエンサーマーケティングの大きなメリットは、1回の発信で多くのユーザーへアプローチできることです。すでに10〜100万人といったフォロワーのいるインフルエンサーを起用すれば、効率よくユーザーへ情報を届けられます。
企業がメルマガやDMなどを使ってユーザー個人へアプローチするような手間はかかりません。
ユーザー目線で情報を発信できることもインフルエンサーマーケティングのメリットです。企業が情報を発信するよりも、客観的な意見としてユーザーに届くため、共感や信頼を得やすいでしょう。
インフルエンサーマーケティングのデメリットとしては、失敗すると炎上しやすいことが挙げられます。
広告であることを隠して発信するなど、ユーザーをだますような行為をすると、インフルエンサーはもちろん、企業の社会的な信頼を失う可能性もあるため注意が必要です。
アフィリエイトとリファラルマーケティングの違い
アフィリエイトとは、ブログ記事などで自社の商品やサービスを紹介してもらうマーケティング手法のことです。ブログ記事に貼ってもらった広告経由で商品が売れた場合に、企業側は記事を作成したアフィリエイターへ報酬を支払います。
アフィリエイトを行うためには、基本的にはASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)に登録しなければなりません。ASPとは、アフィリエイトのプラットフォームのことで、ここで自社の商品やサービスを紹介してくれるアフィリエイターやブロガーを募集します。
企業がアフィリエイトを利用するメリットは、ユーザー目線で情報を発信できることや、複数のブログで紹介してもらえることなどです。さまざまなアフィリエイターが独自の視点で紹介してくれるため、認知度アップや利益の向上を期待できます。基本的にはアフィリエイター自身が情報収集をして執筆するため、企業側が文章を作成する必要はありません。
ただし、リファラルマーケティングとは異なり、実際に商品やサービスを利用した人が記事を書くとは限らないため、リアルな紹介文を作成してもらえないケースもあります。報酬額によってはあまり紹介してもらえないことも、アフィリエイトのデメリットのひとつです。アフィリエイターは報酬額の高い案件を優先的に紹介することが多いため、認知度を高めるためにはライバル企業よりも魅力的な報酬設定をする必要があります。
アンバサダーマーケティングとリファラルマーケティングの違い
アンバサダーマーケティングとは、自社の商品やサービスに愛着をもってくれているファンに情報を発信してもらうPR手法です。ファンやリピーターのなかからアンバサダーを任命し、SNSなどで商品を紹介してもらいます。インフルエンサーマーケティングと異なるのは、フォロワー数や影響力で発信者を選ぶのではなく、「愛着」をもっているかどうかで選ぶという点です。
アンバサダーは、実際に商品やサービスを利用したうえで魅力をよく知っているため、利用者目線でリアルな情報を発信できます。広告的な感じを出さずにPRできるため、商品やサービス、企業全体の好感度アップも期待できるでしょう。
アンバサダーマーケティングは、一般のユーザーに情報を発信してもらうという点でリファラルマーケティングと似ています。異なるのは、リファラルマーケティングは不特定多数のユーザーの紹介で成り立ち、アンバサダーマーケティングでは特定のファンを起用するという点です。
アンバサダーマーケティングを実施するなら、ユーザーのフォロワー数やコメント数などをチェックしたうえで、自社のイメージに合った人を採用しなければなりません。インフルエンサーのようなフォロワー数である必要はありませんが、あまりに少なくても効果的なPRはできないでしょう。発信に対する「いいね」の割合やコメントの質などをチェックしておくことも大切です。
バズマーケティングとリファラルマーケティングの違い
バズマーケティングとは、インターネットやSNSなどを活用して口コミを広め、爆発的に認知度を高める手法です。いわゆる「バズらせる」ことで、一気に情報を拡散させて売上アップを狙います。具体的な手法としては、インフルエンサーの起用やキャンペーンの実施などが挙げられます。
先ほど紹介したとおり、インフルエンサーを起用して情報を発信すれば、一瞬で多くのフォロワーに情報を届けられるでしょう。キャンペーンを実施することもバズマーケティングの手法のひとつです。たとえば、SNSで特定のタグを付けて投稿するといったキャンペーンを行えば、自社の商品やサービスを効率よく拡散できます。
ただし、バズマーケティングには、短期的な集客になりがちというデメリットもあるため注意が必要です。バズったとしても短期間で終わるケースが多いため、定期的にキャンペーンを企画したり、飽きられないように新しいインフルエンサーを起用したりする必要があります。
一方、リファラルマーケティングの場合は、爆発的に拡散されることは少ないものの、継続的な集客効果を期待できます。さまざまなユーザーが継続的に口コミを発信したり、友人を紹介してくれたりするため、長期的な集客効果を期待できるでしょう。
バイラルマーケティングとリファラルマーケティングの違い
バイラルマーケティングとは、インターネットやメール、SNSなどを活用して口コミを拡散させていくPR手法です。「バイラル(viral)」という言葉には「ウイルス性の」といった意味があり、ユーザーから別のユーザーへ情報が拡散する様子を表しています。
口コミを拡散するバズマーケティングと似ている部分もありますが、バイラルマーケティングには、自然に拡散させるという特徴があります。バズマーケティングにおいては、インフルエンサーやキャンペーンを活用して人為的に口コミを拡散させますが、バイラルマーケティングでは口コミの自然発生を促すのが基本です。
たとえば、Webサイトに「SNSで投稿する」「友人に教える」といったボタンを設置しておくことは、バイラルマーケティングの手法のひとつといえるでしょう。
ユーザーに好感をもってもらえれば自然な形で口コミが広がり、ファンが増えることを期待できます。
ただし、ユーザーが口コミを発信したくなるような商品やサービスを考案しなければ、情報が拡散されていきません。Webサイトにボタンを設置するような仕掛けも必要でしょう。紹介することでポイントやギフト券をもらえるリファラルマーケティングとは異なり、ユーザー側のメリットが少ないため、魅力的なコンテンツ作成や仕掛けづくりに力を入れることが重要です。
リファラルマーケティングが役立つ場面
さまざまなマーケティング手法を紹介しましたが、どの方法がベストということはありません。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の目的やターゲットに応じて最適な手法を選ぶことが大切です。ここでは、リファラルマーケティングが役立つ場面を紹介しますのでチェックしておきましょう。
コストをかけずに認知度を高めたいとき
コストをかけずに商品やサービスの認知度を高めたいときは、リファラルマーケティングが向いているでしょう。
さまざまなメディアに広告を出稿したり、インフルエンサーを起用したりすると、多額の広告宣伝費が発生します。
リファラルマーケティングにおいては、ユーザーが親しい友人や知人へ、商品の魅力を伝えてくれるため、それほどコストはかかりません。
もちろん、紹介してくれたユーザーへインセンティブを支払う必要はあります。
ただ、インセンティブはポイントやギフト券といったものでもよいため、アイデア次第では広告宣伝費を大幅に節減できるでしょう。
長期的な集客効果を得たいとき
長期的な集客効果を得たいときも、リファラルマーケティングを活用するのがおすすめです。インフルエンサーマーケティングやバズマーケティングを行えば、一気に10〜100万人といったフォロワーに情報を届けられる一方で、短期的な集客効果しか得られないケースもあります。
継続的に集客しようとすると、インフルエンサーへの支払いなど、多額のコストが発生することもあるでしょう。リファラルマーケティングの場合、ユーザーが紹介したくなるような仕組みを構築しておけば、長期的な集客効果を期待できます。
人材採用におけるミスマッチを防止したいとき
リファラルマーケティングは人材採用においても役立ちます。リファラルマーケティングによる採用活動の特徴は、自社の社員からの紹介により、新しい人材と出会うことです。リファラル採用や紹介採用などとも呼ばれます。
リファラル採用のメリットは、社員と企業のミスマッチを防ぎ、定着率の向上を期待できることです。実際の仕事内容や社内の雰囲気をよく知る社員がリクルーターとなることで、よい部分も悪い部分も包み隠さず伝えられるため、本当に自社とマッチする人材を採用できます。社員が長期的に働いてくれるため、教育費や採用費の削減にもつながるでしょう。
リファラルマーケティングを実施する5つのメリット
リファラルマーケティングには、訴求力が高い、紹介データを分析して売上アップを図れる、広い範囲に情報を拡散できる、といったメリットがあります。以下、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
訴求力が高い
訴求力が高いことは、リファラルマーケティングの大きなメリットです。訴求力とは、商品を買いたい気持ちやサービスを利用したい気持ちを引き出す力を意味します。企業側からではなく親しい友人から商品やサービスを紹介されるため、広告感や押し売り感がなく、安心して情報を受け止められます。
ユーザー目線の情報を発信できることもリファラルマーケティングの特徴です。実際に商品やサービスを使った人の意見であるため信頼性が高く、紹介された側は「買ってみようかな」「使ってみようかな」という気持ちになりやすいのです。
紹介データを収集・分析して売上アップを図れる
リファラルマーケティングを実施すれば、紹介データを収集して分析することで売上アップを図れます。ユーザーごとの紹介数などをデータ化しておけば、どのユーザーを重要視するべきか、どのようにアプローチすべきかを判断することが可能です。
たとえば、紹介数が多いユーザーの満足度は高く、商品やサービスのファンとして成長しているといえるでしょう。逆に、紹介数が少ないユーザーの満足度はそこまで高くないとも考えられます。さまざまなデータを分析することで、売上アップだけではなく、商品やサービス内容の改善にもつながるでしょう。
コストをかけずに広い範囲へ情報を拡散できる
コストをかけずに情報を拡散できることも、リファラルマーケティングのメリットのひとつです。リファラルマーケティングにおいては、インターネット広告を出したり、大規模なキャンペーンを企画したりする必要はないため、多額のコストは発生しません。
広い範囲へ情報を届けられることも大きな特徴です。多くのユーザーが友人へ紹介したり、SNSで発信してくれたりするため、期待していた以上に情報が拡散されるケースもあります。情報を発信したくなるような仕組みづくりは必要ですが、成功すれば認知度は大幅にアップするでしょう。
スピーディーに口コミや紹介が広がる
インターネットやSNSなどが普及したため、以前と比較すると、口コミや紹介はスピーディーに広がっていきます。インフルエンサーマーケティングやバズマーケティングほどの爆発力はありませんが、拡散スピードが遅すぎて認知度がアップしないというケースは少ないでしょう。
口コミの拡散をより効率的に進めるためには、紹介に対する魅力的なインセンティブを設定しておくことや、ボタンをクリックするだけで簡単に紹介できるようなシステムを構築しておくことなどが重要です。
質の高いユーザーを集められる
質の高いユーザーを集められることもリファラルマーケティングのメリットといえるでしょう。「質の高いユーザー」とは、ファンやリピーターとして育ってくれる可能性が高い利用者のことです。紹介経由のユーザーは、ある程度、商品やサービスの魅力を理解したうえで利用してくれます。
知人からの紹介ということもあり、最初から信頼して使ってくれるため、ファンやリピーターとして育成する手間がそれほどかかりません。さらに別のユーザーを紹介してくれるケースもあるため、質の高いユーザーが自然と増えていくでしょう。
リファラルマーケティングを実施する2つのデメリット
さまざまなメリットがある一方で、リファラルマーケティングには、口コミの内容を制御できない、SNS運用に関する知識が必要、といったデメリットもあります。それぞれのデメリットについても簡単に確認しておきましょう。
口コミの内容などをコントロールできない
口コミの内容をコントロールできないことは、リファラルマーケティングのデメリットのひとつです。基本的にはユーザーの自由な情報発信で成立する手法であるため、自社にとって有益な口コミばかりが拡散されるとは限りません。悪い口コミや評判が拡散されたり、炎上につながったりする可能性もあります。
SNSを活用したマーケティングには共通することですが、悪い口コミが広がってしまった場合、事態を収束させるのは簡単ではありません。まずは商品やサービスの質を高め、既存ユーザーの満足度を向上させることで、よい情報を発信してもらえるよう心がけることが大切です。
SNS運用に関する知識が必要
リファラルマーケティングを実施するためには、SNS運用に関する知識が必要です。SNSやマーケティングに関する知識をもつ社員がまったくいない場合は、実施するのは難しいでしょう。
知識のある社員がいる場合でも、関わる人に対して情報リテラシーやリスクマネジメントの方法を共有しておく必要があります。自社の利益につながる口コミを発信してもらうためにはどのようなアプローチが必要なのか、炎上してしまった場合はどのように対応すべきなのか、といったポイントを共有しておくことで、安全かつ効率的にマーケティング活動を進められるでしょう。
まとめ
リファラルマーケティングを実施して質の高いユーザーを獲得しよう!
今回は、リファラルマーケティングの概要やメリット・デメリットなどを解説しました。リファラルマーケティングをうまく活用すれば、コストをかけずに情報を拡散でき、質の高いユーザーを効率的に獲得できます。ポイントやギフト券といった魅力的なインセンティブを設定しておくことで、多くのユーザーが自然と集まってくるでしょう。
ただし、口コミをコントロールするのは難しいため、悪い評判が拡散されたり、炎上したりするケースもあります。リスクマネジメントやSNS運用の知識なども習得したうえで、適切な方法でリファラルマーケティングを実施していきましょう。
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